["通常盤"CD / "初回限定盤"CD+DVD]cinema staff - 海底より愛をこめて [CNM-004/005]

["通常盤"CD / "初回限定盤"CD+DVD]cinema staff - 海底より愛をこめて [CNM-004/005]

販売価格: 2,860~4,180(税込)

オプションにより価格が変わる場合もあります。

商品詳細

岐阜県出身4ピースバンドcinema staffの2021年リリース、4年ぶり7thアルバム。
初回限定盤は特殊フィルム"海底"仕様ジャケットで、今年4月に地元岐阜で開催された主催フェス"OOPARTS 2021"での2日間のステージ(cinema staffのみ)を収録したDVDが付属します。

■セルフ・ライナーノーツ
メジャーデビュー以降、【熱源】発売までの数年間は
若さのままひたすらに命を燃やし、走り続けていました。
メンバーそれぞれ、バンドとしても個人としても
表現の方向性、可能性をそれぞれ模索し、
都度試行錯誤し、破壊と再構築を繰り返してきました。
結果的にそれは非常に得難い財産になり、
スキル・創作の幅を大きく広げることが出来ました。
 
その代償に、「今本当に作りたいものは何か」
という問いを常に胸に抱きながら
制作をするようになったのも事実です。
 
その状況のままに、2020年の初めより
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、
当然だと思って続けてきたライブを中心とした音楽活動は
今後の見通しを冷静に考える暇もないまま頓挫し、
突然船中から大海に投げ出されたような気分でした。
 
そんな中でもがきながらも
THISTIMEに助けられてリリースできた
"3,28"、"TOKYO DISCORDER"の制作は、
(状況的に両作非常に特殊なものだったので
録音に集中しきれていないという意味では
少し悔いが残っているとはいえども)
明らかに個人として自然に作れた楽曲でした。
 
この2曲の制作を経て
当たり前のことが当たり前でなくなった
日常の中で、カウンター的に見えてきたものは
確かに存在するのだと、光明を見た感覚がありました。
それをちゃんとこの気持ちのままで
リリースしたいという欲望が湧き出てきたのです。
その渇望が自分の深層心理にある、ということに
ある意味とても安心しました。
 
まだ収束の目を見ないこのコロナ禍で感じた
怒り、焦り、矛盾、虚無感。
そういったネガティブな感情の器になりたい。
負の感情に正面から向き合って、受け入れたい。
聴いてくれる人にとっても、そして自分にとっても。
自然とそう思えたのです。
 
「白夜・極夜」の制作に端を発した
半年超に及んだ久々に長いプログラム。
サウンドプロデューサー竹内亮太郎氏の力を
全方位で大いに借りつつも
かつて走り抜けた経験で得たスキルを用い、
エゴを突き通す部分はエゴのままに、
最初から最後まで自分が思い描いたような作品、
今本当に作りたいものを
バンドとして作りきることが出来ました。
メンバー・スタッフ各位にも最大級の感謝を。
 
アルバムタイトルは「海底より愛をこめて」
大海に投げ出された我々は深海へと沈んでしまいました。
とても苦しく、負の感情は溢れて止まる事を知りません。
しかし、僅かに差し込む光はあります。
存在させるのです。
想像によって。
創造によって。
クリエイティヴによって。
愛によって。
生み出すのです。
存在することにするのです。
 
なぜなら「当たり前のことは既に無い」のですから。
そしていつか必ず、地上へ。
 
cinema staff 三島想平

【全曲解説】
「熱源」リリース直後より《進撃の巨人》タイアップやベスト盤のタームを含め制作自体は色々な形で断続的に続いていたのでまとまったものを出したいとは考えていました。「海底より愛をこめて」はそういった既に形になっていたor部分的に存在した過去制作の中から本作の意図に近いものをピックアップして再構築した楽曲と、コロナ禍以降に作った最新の楽曲を最新のバンドの形でもって構成したアルバムです。
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01 海底 [Kaitei]
歌詞をそのまま音にしたような曲です。未来の有り様は残酷なほどに自分次第。他者に委ねられるものではない。ある意味、世界と分断されたコロナ禍で改めて自覚した事実です。もし誰にも声が届かなくとも、それでも真摯に伝えようとする、声を発し続ける努力を続けることに意味があると考えています。
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制作の最後に出来た曲。
本当は「I melted~」の方を標題にしようと先に書いてたのだがメンバー的に標題ではない、ということだったので(今考えればよくわかるんですが)急遽、最後に希望が見えてくるような展開の曲を書き直しました。頭はどうしてもギターと歌だけにしたく、その後、孤独の叫びをバンドが増幅してみんなでサビを叫ぶような仕掛けにしたかったのです。ただこの曲はあくまでまだ「海の中にいる」という曲なのでテンションがMAXまでいきすぎない、ということも心がけました。あくまでまだこれから、もがいてる最中ということです。ビートパターン、竿のプレイ共に非常にシンプルで最近の三島的な好みを詰め込んだものにもなっています。
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02 I melted into the Void
「虚の中に溶けた」怒りを最も端的に表現している曲。ややファンタジックというか抽象的な世界観を代用していますがソーシャルな関わり合いの歪さや感じた怒りをどうしても言葉にしておきたく書いたものです。
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上記にも書いてありますが、最初はこれを標題にしたかった。怒りや悲しみを直接的に表現することで逆に聴き手の負の感情を迎え入れたい、と思って書きました。「熱源」タームの曲は特にですが、積極的に明るいワードをチョイスして概ね前向きなイメージで作っていました。ただ、本曲に関しては一度そういう事を全て排除し感情のまま、暗いまま最後まで終わりたいと思いました。最後「敗北」するわけですからね…気合がいる制作でしたが、展開・構成・フレージング含めてここ数年の個人的な制作の成果が出つつ、バンドサウンドとして一つ集大成になったような感覚があります。書ききれて満足しています。
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03 白夜 [Midnight sun]
「進撃の巨人」のED曲に採用された「Name of Love」の制作タームで出来ていた基盤を精査し、今のテンションで仕上げた曲です。同時期(2018年秋期制作)の曲は基本的に全て「進撃の巨人」をモチーフとし、そのイメージをもとに書いたものです。本作の中だと「若者たち」「リバーシ」「雨の日のヒストリア」「はじまりの場所」もそれにあたります。ある意味この曲がアルバム構想の始まりともいえます。
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04 若者たち [Wakamono tachi]
「白夜」と同ターム、「進撃の巨人」のために書かれた曲です。万物は必ず歳を取ります。経年します。ほんの20万年前、人類は誕生したばかりです。進化の過程の中で文化を形成し、社会的に発展してきました。そして、きっといつかはその全てが経年し、滅びの時がくるのでしょう。しかし、それでもまた気の遠くなるような年月を経て歴史は繰り返し、人類が誕生し、滅亡するのかもしれません。そんな見地から見れば、3000マイルも、2000年も、大したことではないと思うのです。繋がっているのです。そして、いつの時代でも若者は愛を語るもので、果たされないかもしれない約束を繰り返すのです。それはほんとうに、尊いことだと思います。
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かなりブライトでカラッとしたテンションの曲。メロとコードの絡みが非常に良く出来てると思います。
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05 リバーシ [Reversi]
「進撃の巨人」のために書かれた曲です。誰しも存在する心の中の黒い部分。消せない過去。失敗。恨み辛み嫉み。それを反転させ、白に変えていくことは青春を取り戻していくことと同義だと思うのです。歳を取った自分に価値を見出すのは自己解放であり、最終的に結局どれもこれも考え方次第。胸の穴の形を知っているのは、自分だけなのです。
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実は作曲した記憶が完全に欠落しています。多分進撃の曲がボツにされまくって落ち込みながらも投げやりに好きなように書いたような…メンバーが好きで覚えていてくれて、無事サルベージされました。
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06 TOKYO DISCORDER
コロナ禍で最も気持ちが落ちていた時に書いた曲。色々考えを巡らせた末、結局どうでもいいか、と寝てしまうあたりがどうしようもない虚無感を表しています。今回アルバム収録にあたっては竹内亮太郎Pのもとに完全に録り直した新録ver.になっています。少々アレンジも変わって、だいぶテンション高くダイナミックなものにリファインされました。虚無感は、激情で、轟音でかき消してしまえ。
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2020年夏、この曲の制作が個人的にもバンド的にもうまく行かなかったと感じたことから竹内亮太郎さんにヘルプを求めました。結果的に大正解でした。その後は素直に表現に集中できたというか。当時は目的と手段が逆転していたんだと今になって思います。
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07 動脈 [Dohmyaku]
最も古い曲。熱源タームから曲のパーツは存在しました。現実的なワードと抽象的なワードがムチャクチャな歌詞ですが酔っ払ってる人間の思考なんて言語化したらこんなもんじゃないかと思って書きました。ベロベロのまま寝てると、自分の脈を強く感じる時がありませんか。それは生の実感でもあり、同時に死へのカウントダウンのような感覚でもあります。
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リフの組み合わせだけでできてる男っぽい曲です。ド頭のドラムとベースだけの部分が脈がドクドクする感じに近い印象があったのでそこから着想して世界が広がった感じがあります。ちなみに「光の城」という歌詞はゆずの「ぼんやり光の城」という曲から引用してます。第三京浜から見たラブホテルのこと…との噂があります。
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08 雨の日のヒストリア  [Amenohino Historia]
タイトルから容易に分かると思いますがこちらももともと「進撃の巨人」のために書かれた曲です。
シチュエーションは当初の予定から少し変化していますが自由を失った少女の逃亡劇の話です。管に繋がった少女は、ある男性に手を引かれ病院を脱出し、雨の中ずぶ濡れのまま走って行きます。その果ての自由は真なる自由なのか、たどり着いてみないとわかりません。しかし、真実は確かに存在します。それがたとえ残酷なものであろうとも。
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アルバム中最も新しくチャレンジした曲。大胆な打ち込みのリズムシーケンスが入っていたり、後半までずっと4コードループだったりと今までやっていないようなこと満載ですが「進撃」タームで当時のプロデューサーに求められたことで新たな扉が開いたという意味ではすごく価値のある曲だと思っています。
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09 極夜 [Polar night]
久々にとても暗いテーマで作らせてもらいました。ここ数年は聴いた人にとっての希望になりたいと想い、積極的にポジティブな雰囲気の楽曲制作をしていたつもりですが、この状況では最早ムリヤリそうする気分にもなりませんでしたので、素直な気持ちのまま産まれたという感じです。心の叫びのようなものです。
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10 storyflow
「進撃」制作タームの後にアルバムを目指してまとまった制作をしよう、というタイミングで出来た曲です。アルバムの中で最もパーソナルな事を歌っています。昔、暴力を伴ういじめを受けていた時期があり、恥ずかしくてそれを頑なに隠していたのですが何かのタイミングで体の傷が両親にバレて、いじめられていたことを告白したことがありました。その時の感情は今でも忘れられないぐらいに悔しくて、悲しくて、惨めでした。もし、それを聴かされていた側だったら、自分が親の立場だったらどう思っただろうと想像して書いた曲です。人間は、1人じゃないです。繋がりの中で生きています。というかきっと、1人ではいられないのです。一時の孤独は、きっと勇気に変わると信じています。
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最初からピアノ・バイオリンは想定して制作していましたが素晴らしいゲスト(ピアノGecko・ストリングス須原杏)のおかげで非常に壮大かつ、曲の力を100倍に増幅するようなアレンジメントが出来たと誇りを持って言えます。積んできたおかげで繋がれたチームだと思っていますのでこの曲で歌っていた当時の過去の自分も浮かばれるってもんです。
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11 3.28
コロナのせいで延期となったライブの代わりに急遽公開レコーディングを敢行し完成した曲です。1週間で0から作り上げ、そのRECの様子まで全て生中継されるというとんでもない制作によってある意味、僕の作家・ディレクターとしての恥部まで見られたような変な感覚でしたが恥ずかしくないものを作り上げられたという自負も生まれ壮絶な体験ができたと思っております。スタッフ含め最後のコーラスがみんなで録れたのは最高にいい思い出にできました。いつか、みなさんと一緒に歌える日が来るのを楽しみにしています。忘れないで。夜を抜けたら、僕らの勝ちですよ。
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12 はじまりの場所 [Hajimarino Basyo]
こちらも元は「進撃の巨人」のために書かれた曲です。「海底より愛をこめて」における色々なメッセージを全て凝縮したような歌詞になっています。スタート地点は、自分で決めることができる。それが何かの途中でも。失ってしまったものがあったとしても。「運命」なんて言葉は、安っぽい。はじめればいいのです、恐れず、カッコをつけて。
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もっともフォーキーで牧歌的な雰囲気の曲ですがただ優しいだけでなく、心の中の空虚さをアコースティックに表現できたのではないかとコーラスワーク含めて非常に気に入っています。ちなみにこの曲もゆずに「はじまりの場所」という同名異曲がありますが、そちらは全く関係ありません。
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